こんにちは、不死鳥BOOKSの店主です。
古本屋と聞くと、多くの方は「古い本を仕入れて、安く販売する仕事」というイメージをお持ちかもしれません。確かにそれは古本屋の大切な役割のひとつです。しかし、実際に店を運営していると、それだけでは語りきれない部分が見えてきます。
今日は、その一端として「不良在庫の処分」についてお話ししたいと思います。実は本日、当店では約1トンもの不良在庫を処分しました。ハイエースにぎっしり積み込んでやっと運び出せるほどの量です。
「不良在庫」とは何か
まず、不良在庫というのはどういう本かといえば――
・長年ネットに出品しても売れなかった本
・いざ出品しようと思っても、需要がなく値段がつかない本
こうした本を指します。本を扱う仕事をしている者にとっては、どんな本にも価値を見出したいと思うのが本心です。ですが現実には「どうしても売れない本」が出てきます。
ただの「処分」ではない
「処分」と聞くと「捨ててしまう」ように思われるかもしれません。ですが私たちが行っているのは、単なる廃棄ではありません。本を紙資源としてリサイクルに回し、もう一度社会で役立ててもらうための循環です。
つまり、販売という形では役割を終えた本でも、別の形で新しい役目を担うことができる。それが「資源としての循環」という考え方です。
「もったいない」気持ちを大切にしながら
もちろん、「もったいない」という気持ちは今も変わらずあります。本屋を始めた頃は、処分のたびに胸が痛くなり、「なんとか売れる方法はないだろうか」と試行錯誤を繰り返していました。実際に、一度は処分対象に入れた本の中から「こんな本が欲しかったんです」と喜んでくださるお客様が現れたこともあります。
それでも、全体の流れを考えると、やはり循環させることは必要です。大事なのは「ただ捨てる」のではなく、「次につなげる」という意識を持つこと。その気持ちがあるからこそ、本の命を最後まで尊重できるのではないかと思います。
まとめ
今日、不良在庫を1トン処分しました。そこには、長年売れなかった本や、値段がつかずに市場に出せなかった本が含まれています。しかし、それは決して「終わり」ではありません。本たちは資源として再利用され、また新たな形で社会に役立っていきます。
古本屋の仕事は、お客様に必要な本を届けるだけでなく、役目を終えた本を次の循環に送り出すことも含まれています。今回の処分を通して、改めて「循環の中で生きる本の一生」を感じました。
これからも、必要とされる本はしっかり販売し、そうでない本は資源として活かす。その両方を大切にしながら、古本屋としての役割を果たしていきたいと思います。