買取のご相談をいただいたとき、
私は時々こうお伝えすることがあります。
「これは、今は売らない方がいいかもしれません。」
古本屋なのに、売らない方がいいと言う。
不思議に思われるかもしれません。
ですが、本には“売り時”があります。
■ 価格は常に動いている
本の相場は固定ではありません。
・ドラマ化
・映画化
・研究テーマ化
・再評価ブーム
・著者の受賞
こういった出来事で、一気に需要が伸びることがあります。
逆に、
流行直後は供給が増えすぎて価格が落ちることもあります。
つまり、
「今が底値」というケースもあるのです。
■ 絶版本・専門書は特に要注意
絶版になった専門書や学術書は、
じわじわと市場在庫が減っていきます。
在庫が減れば、
必要な人が現れた時に価格が上がります。
急いで売らなくてもいい本もあります。
■ 市場のタイミング
私たちは市場(古書組合の取引)に出入りしています。
市場での動き、
同業者の落札状況、
海外需要の変化。
それらを見ていると、
「今は寝かせた方がいい」と判断できることがあります。
■ すべてを今売る必要はない
もちろん、
整理や引越しで急ぐ場合は別です。
ですが、
時間に余裕があるなら、
・分割して売る
・一部を保留する
・価値が伸びるジャンルを残す
という選択もあります。
■ 地元で続けているから言えること
短期的な利益だけを考えるなら、
全部今買い取った方が楽です。
ですが、
長く続けている店は、
“次のご相談”も大切にします。
信頼は一度きりではありません。
本を売ることも大切ですが、
守ることも同じくらい大切だと考えています。
もし迷う本があれば、
「売る・売らない」を一緒に考えることもできます。
急がなくてもいい本は、
急がなくていいのです。
